日本財団 図書館


一般給食計画のモニタリング

48. 一般給食計画(general feeding programme)のモニタリング方法は以下の通り。

□ 配給される食糧のモニタリング――難民が、配給日に配給場所で受け取った食糧の量と質を、計画内容と比較する。また、配給後、各家庭を訪問してモニタリングを行なう(配給当日)。

□ 配給品の量と質について定期的に難民と協議する。

□ 苦情を調査する。

一般食糧計画のモニタリング方法については、UNHCRのCommodity Distribution: A Practical Guide For Field StaffとMSFのNutrition Guidelinesを参照。

 

◆栄養補給のための選択的給食計画

 

◆ 選択的給食計画(selective feeding programmes)の目的は、危険な状態にある集団の栄養失調や死亡の拡大を抑えることにある。  

◆ 選択的給食計画では栄養失調者や危険な状態にある集団に対し、特別食を一般給食の代わりでなく追加として提供する。

◆ 本章で示す基準を使い選択的給食計画の対象者を積極的に見つけ出す。

 

選択的給食計画の一般原則

49. 栄養失調者がいたり、危険な状態にある集団のニーズを一般配給で満たせない場合は、追加食糧を供給するために特別な手配が必要となる。これは、栄養失調の規模と関連リスクを考慮に入れた様々な選択的給食計画を通じて行なわれる。状況が緊急事態の段階では、選択的給食計画は死亡者の急増を防ぐ緊急事態措置の一部となる。死亡率が高い場合は「選択的給食計画」「公衆衛生」「緊急事態時の健康管理」の3分野を組み合わせる(図2参照)。

こうした計画の組織は、最初からコミュニティ・サービスや保健サービス、特に母子保健計画(MCH = mother and child health care programmes)と統合する。

 

50. 栄養失調になりやすいのは、特に、乳幼児、子ども、妊婦、授乳婦、高齢者、病人である。これは、体の成長、母乳の分泌、細胞組織の修復、抗体の産生などのために、より多くの栄養摂取が必要となるからである。栄養失調になると、感染に対する抵抗力が弱まり、栄養失調がさらに進行する。幼児は、特にこの感染と栄養失調の悪循環に陥りやすい。そのため病気の子どもは、たとえ食欲がなくて、吐いたり下痢を起こしていても、食べさせたり飲ませたりしなくてはならない。子どもは一度に多量の食物を摂取できないので、少量でも必要な栄養を摂取できるように食物を濃縮したり、食事の回数を増やす必要がある。

 

51. 社会的・経済的理由で栄養失調という危機に直面する人々もいる。保護者のいない子ども、身体障害者、片親世帯、高齢者なかでも家族の介護を受けていない高齢者、などである。一部のコミュニティでは、社会的・文化的習慣やタブーによって特定の人々、例えば妊婦や授乳婦、あるいは病気の子どもでさえ必要な栄養を摂取できない場合もある。

 

52. 食糧の全体量が十分でも、以下のような栄養失調の原因がある。

i. 配給システムが公平でないため、一部の人々が食糧を入手しにくい。

ii. ずさんな登録や、配給カードの不正支給。

iii. 感染症。

iv. 誤った給食方法や調理習慣。

選択的給食計画は、不適切な一般配給の代わりではない。

 

53. 以下の選択的給食計画が考えられる。

i. 補助給食計画(SFP = Supplementary Feeding Programmes)

 (a)個別補助給食計画 (Targeted SFP)

 (b)集団補助給食計画 (Blanket SFP)

ii. 治療用給食計画

 

効果をあげるため、特別配給は一般配給の代わりではなく、追加として供給する。

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION