概要
状況
難民となることによって受ける精神的打撃は強烈なものとなりうる。今まで生活してきたコミュニティの安定を支え、高齢者、女性、子ども、障害者などの弱者層(vulnerable groups)を保護してきた仕組みは壊れてしまい、作り直さなければならない。また、社会的・心理的な問題が発生、あるいは悪化し、適切な対応措置が必要不可欠となる。
目的
難民集団全体の福利に貢献し、最も弱い立場にある難民が基本的な物資・サービスを平等に得られるようにすること。
難民コミュニティの再建と発展を支援すること。難民コミュニティは、援助計画の管理運営を行なう上でも利用できるし、コミュニティの再建・発展により「援助への依存」という長期的問題を最小限に食い止めることができる。
提供する援助が、難民にとって適切であるようにすること。
対応の諸原則
?b コミュニティ自体の人的・物的資源をできるだけ強化し、個人・家族・集団の自立を高めることによって、あらゆる分野で――男女ともに――難民コミュニティへの参加をうながす。
?b 弱者層向けの特別なサービス(業務・仕事)は、できるだけ難民コミュニティ自体が提供する。
?b サービスはきちんとした計画のもとにできるだけ分散させ、必要とする人々に届くようにする。
?b コミュニティ・サービスは、生命にかかわる最優先分野を補うよう調整・開発し、援助事業全体の中に組み込む。
行動
?b コミュニティの問題点、ニーズ、資源を調べる。あらゆる分野において、ニーズを満たすサービスは何であるのかを難民自身が把握し、対応するのを助ける。
?b 最弱者層を速やかに見分け、援助する。
?b コミュニティの適切な管理運営の仕組みを作り上げる。これには、意思決定に女性が参加でき、難民集団内のあらゆるグループの意見が適切に代表されることが含まれる。また弱者層を支援できるコミュニティ・ワーカーを見つけ、有益かつ適切な情報を広め、他の分野を支援する。
?b 家族の離散を防ぐ迅速な措置を取り、また、できるだけ早く家族を再会させる。
?b 孤立し、弱い立場にあるすべての人――特に保護者のいない未成年者――を保護・世話をする。すでに自然にグループが出来あがっていて、グループ内の人々がつながりを確立している場合は、そのままにしておく。
?b 難民と援助関係者の間でお互いに良好なコミュニケーションを確保できるよう、難民とのつながりを確立する。
?b コミュニティ自体の対応力を高めるために、必要な訓練を見極め、コミュニティでの業務・活動に対し実用的かつ実践的な訓練の実施を支援する。