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34. 以下の指標は、数値で測定可能なため、規定値として広く利用されている。これを上回れば(または下回れば)明らかに緊急事態である。事態が制御されているかどうか、緊急の救済措置は必要か、などの目安にもなる。中でも最も重要なのは死亡率である(死亡率の算出方法については第14章を参照。その他の指標の詳細については、各章および付録2「ツールボックス」を参照)。

 

表1 緊急事態指標

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35. このほかに、容易に数量化できないが同じくらい重要な指標もある。例えば、難民に対する身体的脅威や、難民が享受すべき人権基準に対する脅威などである。特に、追放・強制送還の恐れは、緊急事態対応が必要かどうかの指標である。

 

緊急事態対応

36. 緊急事態対応(emergency response)は以下のように定義できる。

難民の生命を助け、保護を確保し、福利を回復するための迅速かつ適切な行動。

 

37. 安全な避難が確保されると、次に緊急事態管理で優先されるのは救命活動である。問題点、ニーズ、資源についての的確かつ迅速な把握がなされれば、事前に立案された計画の中で、どこに専門知識・技術や資源の不足があるかを確認あるいは特定できるだろう。

 

38. 専門家の専門知識・技術を要する問題の特定は極めて重要である。ほとんどの難民緊急事態では、保護の専門家以外に、保健衛生、食糧、栄養、衛生、水、避難所、インフラなどの重要な技術分野を調整する技術専門家が、少なくとも1人は必要である。

 

参考文献

A Framework for People-Oriented Planning in Refugee Situations Taking Account of Women, Men and Children, UNHCR, Geneva, 1992.

Contingency Planning - A Practical Guide for Field Staff, UNHCR, Geneva, 1996.

Coordination Among International Organizations in Complex Emergencies, Disaster Management Training Programme, UN, 1997.

Initial Assessment in Emergency Situations - A Practical Guide for Field Staff, UNHCR, Geneva, 1998.

Supplies and Food Aid Field Handbook, UNHCR Geneva, 1989. UNHCR Handbook;

People-Oriented Planning at Work: Using POP to Improve UNHCR Programming, UNHCR, Geneva, 1994.

UNHCR Manual, Chapter 4, UNHCR, Geneva, 1995 (and updates).

Partnership: A Programme Management Handbook for UNHCR's Partners, UNHCR, Geneva, 1996.

 

 

 

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