6-4 リエンジニアリングの実現に向けて
本章では、リエンジニアリングに対応した行政情報ネットワーク、行政情報システムの再構築及び、運用方策について検討を行ってきたが、現状としては、岡山県の岡山情報ハイウェイや可児市のCATVように住民の加入率が高い地域情報通信インフラが整備されてる都道府県・市町村は少なく、総合行政ネットワークや住民基本台帳ネットワークシステム等の全国的な行政情報ネットワークもまだ検討段階にある。ユニバーサル・デザインに関しても、産学官の研究機関より研究開発が進められているが、高齢者でも障害者でも自由自在に利用できる情報システムの実現に関しては、まだ、時間を要すると考えられる。
しかし、平成12年に開始される介護保険制度等のように、市町村により重要な行政サービスに格差が生じることにより、住民が行政サービスを評価し、居住する市町村を選択するような地域間競争の時代が訪れつつある。このような時代においては、一人一人の職員が危機感を持って根本的な業務改革を進めていくことが、地方公共団体の存続に必須となると考えられる。
これは、庁内の情報化や住民サービスの充実に向けた行政情報サービスシステムの構築のように、予算を投じればある程度の成果が得られるような単純な施策ではなく、国や地方公共団体が、その所管業務の特性や地域の特性からあるべき姿をイメージしつつ、組織や職員のデメリットも覚悟しながら、現在の業務体系を根本から改善することが必要とされる。現在も、一部の地方公共団体では、リーダーシップを発揮する首長や職員が先導し、革新的な試みを行っている事例は見られるが、今後は、組織として、部署として、また職員個人として、より優れ、より効率的・合理的な行政サービスの実現しようとする競争意識を高め、全ての職員がリエンジニアリングの発案を出すような状況を目指す必要があると考えられる。そして、業務改革に伴う行政情報システムの再構築においては、住民を含めたネットワーク・情報システムへの展開及び徹底的なアウトソーシングにより、実効性が高く、柔軟な行政情報システムの実現を目指すべきと考えられる。