ユニバーサル・サービスは、一事業者で全国にサービスを行うものである必要はなく、どの地域の住民もサービスを受けられるならば、電気通信事業の地域系NCC各社のように地域毎に事業者が存在する場合でも該当するものであり、このような地域インフラを各地方公共団体で整備できれば、将来的には国、地方公共団体だけでなく、企業や家庭を含んだユニバーサル・サービスとしての行政情報ネットワークが実現される。
このような地域インフラを活用し、VPN(Virtual Private Network)技術を適用することにより、地方公共団体と住民との間で安全かつ高速なイントラネットを構築することもできるため、セキュリティに関する要求レベルが高いアプリケーションもサービス可能となる。
(2) 個別の行政機関における行政情報システムの連携
企業や家庭を接続する大規模行政情報ネットワークを構築するに当たっては、国や地方公共団体内部における行政情報システムの再構築も重要である。
従来、汎用電子計算機による各種統計、税務、給与等の大量・提携業務を中心とした集中処理方式として構築されてきた行政情報システムは、グウンサイジング、ネットワーク機能の強化に伴い、用途の多様化が進み、文書電子化やグループウェア等の業務支援システムの導入、住民に対する行政サービスの向上として施設予約ネットワークや図書館ネットワーク、福祉、生涯学習、商工業振興、その他の情報提供システム等を構築している地方公共団体も多い。
地方公共団体によっては、それらの情報システムが構築された時期、構築した事業者が異なるため相互接続や情報共有が進んでおらず、事業別に複数の住民向け情報サービスネットワークが存在し、情報の重複入力や一方のネットワーク端末からは他方のサービスが受けられない等の問題も見られるが、近年では、システムの更新時や庁舎の建て替え時にクライアント・サーバ方式等、相互接続性が高いシステム等に移行し、行政情報システムの相互接続・情報共有を推進している例も多い。
行政情報システム連携の期待効果としては、行政文書、各種統計、資料データ等の共有等による業務の効率化の他、住民が街頭情報端末や公共施設の端末、インターネット等から、あらゆる分野の行政情報サービスの利用が可能となる点が挙げられる。システム連携により行政情報システム同士が有機的に作用すれば、全体として各情報システムの効果の総和より多大な効果(シナジー効果)が得られることも期待される。