(3) 職員間の競争意識
行政機関では、業務改善に積極的に取り組んでも報酬に反映させにくいため、職員による業務改善意識が生まれにくい。それどころか、業務改善意識を持った職員が積極的に提案し、改善を進めようとするほどその職員に業務の負荷が集中し、同じ待遇であるにも関わらず(改善の提案や推進を図る職員ほど負担が大きくなるという状況となっている。
なお、国では予算を確保するための省庁間の競争は激しいが、個々の所管する事業に対する国民の評価を高めるための改革施策については、取り組みに格差が見られる。また、地方公共団体においては、先進的な施策を展開するケースも見られるが、その多くは首長がリーダシップを発揮しているケースである。中には、一部の職員が先導して業務改革を進めている例もあるが、前述のようにその職員に多大な負担がかかっている状況が見られる。このように、リエンジニアリングを推進させる環境を作り出す力である「競争」に関しては、行政機関においては有効に働いていないと考えられる。
ただし、平成12年に開始される介護保険制度のように、今後、居住する市町村毎に生活に関わる重要なサービスにおいて格差が生じるケースが増えてくると予想される。このような状況になれば、住民が市町村の行政サービスに不満を感じた場合に、他の市町村を選択する(転出する)可能性は充分にあり、競争意識に乏しい地方公共団体は住民に見放されることが想定される。今後、特に地方公共団体では、その存続のために行政サービスの向上に関し、競争意識を高めることが重要と考えられる。