なお、手続きの電子化に関しては、「行政手続きの電子化の推進に関する調査研究(平成8年度)」で、以下の事例に関しヒアリング調査が行われている。
・医薬品等のFD申請・審査システム(厚生省)
・通商産業省(本省)における行政手続きの電子化事例
・特許の電子出願制度(特許庁)
・郵政省における行政手続きの電子化
・FDによる建築確認申請(建設省)
これらの調査では、具体的な効果として、届出・申請の事務処理の効率化、過去のデータの検索の容易性、ペーパーレス化といった効果が挙げられている。例えば、通商産業省では、
・年間の申請頻度が高い
・同一の者が反復的に申請することが多い
・印鑑登録証明書や写真等の電子化になじまない書類が少ない
等の基準で電子化の対象を選定・実施したが、ある報告におぃて、従来、提出を求めていグラフ等の資料をFD申請の場合は提出不要(データがあれば行政機関側でグラフ化できるため)としたところ、当時で9割がFDによって提出される等、明確な効果が現れている。また、厚生省の医薬品等のFD申請・審査システムでは、申請者は民間各社で開発・販売しているFD申請用のデータ入力ソフトウェアを利用することにより、手順に従うだけで容易に申請用データを作成することができ、厚生省の方も各申請者から提出されたデータを統合的に利用できるというメリットが挙げられている。
行政情報システム各省庁連絡会議が示した「平成11年度における行政情報化の取組の考え方(平成10年7月)の中では、以下の手続きの電子化及びワンストップサービスへの検討を行うことが示されている。
・大蔵省、厚生省及び農林水産省における検疫等行政手続システムと通関情報処理システムとの連携
・通商産業省による「外国為替及び外国貿易法」(昭和24年法律第228号)に基づく輸出入許可及び承認の手続のEDI化のためのシステム開発の推進
・運輸省による、主要港湾における出入港に関する行政手続のEDI化、港湾諸手続の効率化に資する港湾管理者の情報システムの導入支援、通関情報処理システム等との連携を推進
・厚生省及び通商産業省の連携による「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(昭和48年法律第117号)に基づく届出手続について、電子媒体で受理できるシステムの構築
このような届出・申請の電子化は、手続きの簡素化や行政機関の情報化に伴い、今後も一層、推進されると期待される。