(2) 総合行政ネットワークの必要性
総合行政ネットワークは、地方公共団体が単独で構築した庁内LANや県単位で構築したWANのような既存の広域的な地方公共団体間ネットワークを接続するものと定義されている。地域社会及び住民が、国・地方公共団体を意識せず、必要な情報をタイムリーに入手したり、申請手続きの電子化の推進やワンストップサービスを利用できるようにするためには、民間企業や住民を含めた総合的かつ全国規模のネットワークの構築が必要となるが、各省庁ごとに関連事業を行う地方公共団体とのネットワークを構築することは不効率な投資であり、一方、地方公共団体側においても、一定の共通仕様がないまま各団体がネットワークを構築すれば、二重・三重の投資が発生するとともに電子文書等の交換・提供を効率的に行うことが困難となる。
このため、総合行政ネットワークでは、不必要な投資を抑える共通仕様の提示、地方公共団体の外部接続の重複を防ぐ既存(計画中のものを含む)の情報通信インフラ(インターネット・衛星通信・CATV等)の積極的な活用、情報の安全性・信頼性及び個人情報の保護対策を強化した総合情報ネットワークが必要と位置づけられている。
(3) 地方公共団体間コミュニケーションの現状と課題
本研究会が実施した、国、地方自治体へのヒアリングでは、以下の課題が挙げられている。
・公文書は紙媒体になっている必要があるため、電子メールで受信した電子情報は画面で確認された時点では公文書にはなりえないという不都合が生じている
・行政文書の手渡し等の際に、同時に行う補足説明等の付随する情報交換についてすべて電子化するには、現時点では課題が多い
・文書管理規程等では文書課(係)が一括して行うことになっている行政文書の収受が、実態としては各担当課に委任されていることが多いが、これにより行政文書の所在不明という事態が発生する場合がある
これらの課題に対し、公文書に関しては、関係する条例・規則等を見直し、電子媒体に対応できるようにする必要がある、人と人との直接的な補足説明については、情報通信技術の革新により、インターネット・テレビ、テレビ会議等のマルチメディア・システムの普及が進むことによって将来的には対応可能と結論づけている。また、文書管理の問題に関しては、行政文書の一元管理を実現する上でも、紙媒体から電子媒体への移行を推進する必要があると結論づけている。