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1] 量的な効果が期待できる業務

GISは初期コストが大きいシステムであるため、その効果について長期的に見る必要がある。GISの導入によって、同じ作業の処理時間が短縮されたことが明確になれば、効率性の向上は実感できる。例えば、都市計画業務で行われる住民からの問い合わぜ対応業務は、検索速度が向上すれば、問い合わせ1件あたりの処理時間の短縮が図られることがわかる。これは量的な意味での効率性の向上である。

 

図表3-8 量的効率性の向上(岡山県津山市の例)

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2] 質的な効果が期待できる業務

(a) 正確な情報管理による住民サービスの向上

GISの導入によって、より正確な地理情報を把握することが出来るようになれば、業務の正確性が向上し、住民サービスの向上につながる。例えば、固定資産管理業務において、土地の厳密な現況を把握し、路線価を正確に算出することにより、公平な課税業務を実施することが出来る。正確な路線価の把握が、税収入のアップに貢献するケースも期待できる。

 

(b) 定型的業務の軽減

GISの導入によって、地図を作成・更新する業務は、特に地図の更新作業において大幅に業務量を軽減させることが出来る。例えば、上水道・下水道の管理業務は、図面の整備・管理・更新の作業にかかる作業量が多いので、GIS導入によりこうした定型的業務から解放され、軽減された労働時間を、非定型業務あるいは他の業務に振り分けることができ、業務全体の質の向上に貢献できる。

 

 

 

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