しかし、カード内にCPUを持っていないため、演算は外部装置である、リーダライタやデバイスドライバに委ねなければならず、そのために書き込まれる情報は全て暗号化されている必要がある。更に、容量的に生体情報などを保存することができても、アクセス許可を外部装置でチェックしなければならない。従って、ICカードに比べると、大容量ではあっても、入出力管理の面ではセキュリティ強度不足である。
以上の特長を簡単にまとめる。
1] 記憶容量が非常に大きい
標準仕様で、2.4M〜3.4Mbyteの記憶容量があり、磁気カードの約4万倍、64キロビットICカードの約400倍のデータが記録可能。
2] 改ざんが不可能
レーザー光線により光記録層に物理的に孔をあけるので、改ざんが不可能。
3] 携帯性に優れている
クレジットカードや銀行カードと同じサイズで、常時携帯できる。
4] 磁気や静電気に強い
データの読み取りは光記録層から帰ってくる光の強弱を電気信号に変えて行うため光記録層は磁気や静電気の影響を受けない。
5] オフラインで使用可能
カード内に大容量のデータを記録可能なため、ネットワークのない場所でもデータを活用できる。
(2) 光カードの規格・標準化
光カードの規格にはDELA(Drexler European Licensees Association)方式とSIOC(Society for Interchange of Optical Card)方式があり、両方式とも国際標準規格として採用されている。
光カードに関する国際標準化として、ISO/IEC ̄JT1/SC17/WG9でカード形状、構成、ロケーション、特性、物理フォーマット等の標準化が以下の通り行われている。
・ISO/IEC 11693:1994 - General characteristics
ここでは光カード全般についての共通特性を規定している。
・ISO/IEC 11694-1:1994 - Part1: Physical characteristics
ここでは光カード(直線記録方式)の物理的特性について規定している。