バスカードのメリットとして
1] 既存の回数券から簡単に移行できる
2] 乗客の利便性を高める(持ち運びに便利、小銭不要、高速処理読み取りに〈0.2秒〉)
3] 収集業務の自動化(交通料金徴収プロセスのコンピュータ化)
4] 管理業務の自動化(ビジネスデータとしての活用)
5] 各種の料金徴収システムに対応可能(距離単位、地域単位)
6] 正確な料金徴収(システムによるチェック強化)
等が挙げられる。
現在、ソウルでは地下鉄への導入も開始し、タクシー及びパーキング施設での利用の準備も進めている。バスに関しては現金・トークンの併用にも関わらず、利便性の高いバスカードの利用者が確実に増えており、地下鉄・タクシー乗車での利用が本格化すれば利用者の割合は益々向上し、統一交通カードとしての実用化が進むと思われる。
(2) ルフトハンザ航空のチケットレス・システム(ドイツ)
ルフトハンザ航空はシーメンズ社(システム・インテグレータ)と共同で1996年3月にフライトの予約、チェックインなどに活用できるチップカードを使用した「チケットレス・システム」を導入した。当システムは
1] 利用者がチェックインカウンターで並ぶ手間を省く
2] 搭乗ゲートでチケットのチェック等を行う社員の手作業を簡素化する
を目的としてスタートした。チップカードは非接触型のICカードで、チェックイン時にカードをカバンや財布に入れたままカードリーダ(情報読み取り機)に近づけるだけで搭乗手続きが完了する。
当システムで得られたメリットとして、
1] 一連のプロセスの時間を60%短縮
2] 利用者にも手続きが簡単になったと好評
3] フライト予約、チェックイン、搭乗手続き、フライトマイル数などの管理が容易
4] ヘビーユーザーへの特典付加が容易
現在ドイツ国内の空港42箇所にチップイン・ターミナル(カードリーダ)が設置されており、チップカードの発行も1997年半ばには10万枚、1997年末には35万枚と着実に枚数を増やしている。