日本財団 図書館


2] 多目的化の目的

 

一枚のICカードによって、カード利用者の要求や、提供されるサービスの変化に対応して、いつでも、どこでも、何種類でも、業務発行処理、業務サービスの利用、業務削除処理等が可能な環境を実現する。

これによって、カード利用者は本人が希望する業務サービスに関して、サービス提供者の業務発行処理を受けることにより新たなサービスを利用できるようになる。また、カード利用者が不要となった業務サービスについて、業務削除処理を受けることにより、メモリ領域を開放し、新たなサービスのために業務発行処理が可能になる。

 

3] 多目的ICカードシステムの基本的条件

 

* 複数のカードメーカ、カード発行者、サービス提供者が存在。

* カード発行者は、いかなるメーカによるICカードでもカード発行が可能。

* カード発行者は、サービス提供者に対し、ICカードヘの業務発行処理の制限が可能。

* サービス提供者は、いかなるICカード発行者によるカードにも業務発行処理が可能。

* サービス提供者は、カード利用者との合意により、自らが業務発行処理した業務サービスに関する業務削除処理が可能。

 

(2) 多目的化を達成するための課題

 

ICカードの多目的利用においては、セキュリティ、発行管理、カードの紛失や破損などにおいて、責任の所在がどこにあるのか、また、物理的にデータ容量を越える場合とか、カードフェイスに記載されている有効期限と付加サービスの有効期限に連動がとれない場合にどうするかなどの問題が生じる。また、ICカードにはこうした問題が生じた場合の問い合わせ先を明記しておく必要があるなど、早急に解決すべき課題が数多く残されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION