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はじめに

 

平成6年12月に閣議決定された「行政情報化推進基本計画」に基づき、平成8年9月、各省庁が電子化に対応した申請・届出等手続きの見直しを行うに当たっての基本的な方向を定めた「電子化に対応した申請・届出等手続きの見直し指針」が策定された。同指針においては、国民等からの申請・届出等の電子化に当たっては、1]申請・届出等手続きを行う者の範囲が特定されているものを中心として、2]申請・届出等手続に反復性・継続性があるもの及び年間手続件数が一定以上のものについて実施することとされている。また、電子化の形態としては、基本的にはオンラインによる電子化を目指すこととされている。

さらに、平成9年7月には、同指針が改定され、原則として平成10年度末までにオフラインによる電子化及びオンライン化を実施することとされている。

従来、行政機関は行政サービスの申請者等が当該サービスを受益できる本人か否かの確認を住民票や運転免許等を利用して行ってきたが、「紙」やオフラインの電子化による申請・届出等の行政手続においては、従来からの本人確認方法がとれるとしても、申請・届出等をオンライン化する場合には、本人確認・認証の問題の解決が必要とされ、これの一つの方法としてICカードが利用されつつある。

また、行政手続の電子化を行う場合、ICカードを利用するものが多くなりつつあるが、個別業務ごとにICカードを発行する場合には、申請・届出等の数だけICカードが必要になるという不合理が生ずることとなる。

このような状況を踏まえ、本調査研究では、ICカードを活用した申請・届出等の行政手続の対象範囲、行政手続におけるICカードの利用状況、ICカード技術の動向等を調査分析し、行政手続におけるICカードの総合利用方策についてまとめることにより、行政サービスの一層の向上に資する。

本調査研究は、日本財団(財団法人日本船舶振興会)からの補助金の交付による補助事業「行政情報システムの研究開発等」の一環として実施されたものである。

また、本調査研究は、学識経験者及び行政実務の経験者等によって構成された委員会での審議を経たうえで進められ、さらにそのとりまとめに当たっては委員会各委員の協力を得たものである。

本調査にご協力頂いた関係者各位に謝意を表するとともに、本報告書が各機関の業務推進の一助となれば幸いである。

 

平成11年3月

 

社団法人 行政情報システム研究所

 

 

 

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