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スラリー相バイオレメディエーション:Slurry Phase Bioremediation

汚染された土壌などを槽・容器に移し、必要に応じ栄養剤を加え、微生物とともに攪拌し、汚染物質を無害な物質(水・炭酸ガスなど)に分解する手法。下水処理に用いられている活性汚泥法はこの方法の一例。

 

浸透圧:Osmotic Pressure

溶媒と容液を分けている半透膜を通しての、溶媒の通過を妨げるのに必要な圧力をいう。浸透圧は溶液濃度の増加とともに上昇する。判りやすい例でいうと、1%の食塩水より3%の食塩水の方が浸秀圧は高い。

細胞の例で考えてみると、細胞の細胞膜はある物質は自由に通ることはできるが、他のある物質は通さないという性質(→半透明)。細胞の外界の溶液(コロイド液を含む)の浸透圧が、細胞内部の浸透圧より高いと、外界の容液は内部に入りやすくなる。

 

従属栄養生物:Hetrotrophic Organism, Hetrotoroph

全ての動物、光合成・化学合成を行えない植物・細菌のように、炭素源を有機物から得ている生物をいう。少数の光合成細菌等を除き、殆ど全ての細菌は従属栄養細菌(Heterotrophic Bacteria)である。

 

重油:Fuel Oil/Heavy Fuel Oil

原油(Crude Oil)を蒸留して軽質の留分を除いた残査油(Residue, Residual Oil)を成分とした燃料油製品。JISでは三種類に分類(JIS-K2205)されている。A重油、B重油、C重油の呼名で一般名として使用されている。

重油は残査油を用いるため、褐色から黒褐色を示すのが通常である。製品の規格に基づき、残査油と類種の石油留分を混合して調整する。混合する石油留分は主として、軽油(Light Oil)留分である。

油濁事故で問題となるのは主として、C重油(JISでは更に三つに分類)で、比重が大きく(0.9以上)、動粘度も高い(400 cst at 50℃)ものがある。

 

BOD(生物学的酸素要求量):Biological Oxygen Demand

好気的生物科学反応により、微生物が水中の有機物を分解する際に消費する酸素の量をいう。水の汚染度の指標の1つ。数種の測定方法があるが、通常1リットルの試料水を日光を遮り5日間20℃に保ち、消費された酸素の重量(mg)で表される。BODが大きい程、汚染度が大きい。

 

生態学:Ecology

生物相互間及び生物と外的環境(大気、気候、土質、地形、水分、日光など)すべての間の関係に関する学問のこと。通常、我々が“環境”と呼んでいる内容をすべて含む学問体系をいう。

 

生態系:Eco-System

生物集合体(微生物から、より高度な動植物まですべて)と無機的な環境(大気、光、水、土など)で構成される準安定な系(特定の空間)。この系の中では、食物連鎖(野菜を人間が食べて、その廃棄物を地中の微生物が分解し、放出する炭酸ガスを植物が固定し…というような連続した経路)、エネルギー循環がある。

 

石油分解菌:Oil Decompssing Bacteria/Decomposer

多くの石油を分解する能力があるバクテリアが知られている。代表的なものは、古細菌(Archae Bacteria)類、シュードモナス属のものが有名である。これらの石油分解菌が能力を発揮するには適した次ぎの条件が必要になる。

1] 酸素濃度:酸素を嫌う菌もある(嫌気性細菌)

2] 栄養分:チッソ、リン系統のものが主体

3] 日光:太陽光を嫌うものもある

4] 従属栄養菌:分解菌の活動をサポートしてくれる細菌群。サポートとは分解菌が分解したものを二次処理してくれるものをいう。

通常は、石油分解菌を主役にし、その他のサポート菌類との共同作業で石油を分解する。

 

センシティビティマップ(沿岸環境脆弱性地図):Sensitivity Map

センシティビティ(脆弱性)とは汚染物が侵入した際、受けるダメージ(損害)の大小を表す概念である。例えば、波の荒い岩場の多い海岸で特別に保護する生物もいない場合は、脆弱性が小さい(つまり、あまり注意を要しない)。これに反してマングローブが生え絶滅寸前の貝とか鳥がいるような海岸は、脆弱性が大きい(つまり最も注意を要する)という。海岸線全域について、地形、岩石類の種類、植物相、動物相、海流等の要素をすべて記した地図をセンシティビティマップという。

 

 

 

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