日本財団 図書館


2. 微生物浄化の種類

 

適用する空間的特性による分類と具体的な方法(手法)による分類とがありますが、まとめると表4-1のようになります。

 

表4-1 生物学的環境修復(微生物浄化の種類)

021-1.gif

 

現場型浄化は油濁がある場所(砂浜とか小石のある渚や岩場等)にある汚染土壌等を外部へ持ち出さず浄化するやり方です。ブルドーザー等による若干の移動は含まれます。

外部型浄化は汚染土壌等を現地より運び出して行うやり方です。例としては堆肥化法(Composting:コンポスティング)や耕作法(Land Farming:ランドファーミング)等があります。

自然放置法は特に計画的に何もしないで、自然のままに任せるやり方です。若干の栄養分を含んだ河川水の導入等も含むことがあります。

微生物活性化法は、油を分解する細菌に最適条件を与えてやるため、計画的に栄養分を与えたり、酸素(空気)を与えてやる方法です。

新規微生物導入法(Bioaugmentation)は、その土地に従前より存在しない種類の、油を分解する微生物を新たに現地の汚染地域に散布導入する方法です。“製品”として分解菌、分解菌を助けてやる菌、栄養分を適切に混合したもの(Formulaと呼ぶこともある)もあります。この方法で注意しておく点は、確かに(事前のテストで確認されているように)広範囲の油の留分に有効ではあると考えられるが、汚染地域の生態系は量的な変化(活性化法)から質的な変化が起こることです。現地の他の動植物相に影響があるかどうか、検討するべきと考えます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION