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3. 手法の種類

 

具体的な手法及びその特徴を以下に示します。

 

(1) 生物通気(バイオベンティング:Bioventing)

生物通気は、汚染された砂浜の状態で、この砂浜から酸素を引き出す方法です。

1) 適用条件

1] 汚染の大半が地下水より上である。

2] 近くに障害物がある。

3] 比較的広範囲に被害が及んでいる。

4] 汚染深さは、利用可能掘削機の掘削深さより深い。

2) メリット

1] 汚染された砂浜の掘削費用が節約できる。

2] 技術は比較的原始的で、設備維持がしやすい。

3] 構造物等の下の汚染浄化にも使用できる。

3) デメリット

1] 浄化時間がかかる。

2] 地下水面より浅い場所の処理にのみ可能である。

3] 事前に、遊離した石油製品は全て取り除いておく。

4] 地下水面を下げる必要がある。あるいは、地下水を遮断する必要がある。

 

(2) エアスパージング(Air Sparging)

エアスパージングは、地下水中に空気を注入する方法です。空気は泡状で水中を流れ、汚染物質を取り除きます。なお、生物分解促進のための酸素を地下水に供給します。

1) 適用条件

1] 汚染の大半が地下水面まで達している。

2] 汚染の位置確認のために監視井を掘る。

3] 空気を送り込むための注入井を掘る。

4] 汚染された砂浜と水中に空気を入れるブロワーを使用する。

2) メリット

1] 地下水面より下の汚染を処理できる。

3) デメリット

1] 他の生物学的環境修復手法より栄養分の供給がない分、効果は劣る。

2] 区域により汚染された場所が残る場合がある。

3] 空気を地下水面より約1.5m以上深く注入できる場合のみ効果がある。

4] 完了までの時間は生物通気と同様に、比較的長くかかる。

 

 

 

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