要員については、責任者、特殊技能者、一般作業員と分けて、いざという時に集められるようにしておかなければなりません。
立案スタッフ・アドバイザーの役割は、重要です。専門知識と交渉能力を持つ人材を、対策本部に集められるようにしておく必要があります。
いくら格好の良い計画ができても、技能が伴わなくては効果は発揮できないので、いろいろな種類の訓練が必要になります。費用を要することであっても、訓練は絶対に必要なことです。そして訓練は定期的に行うように計画することが必要です。
それから忘れてはならない事の1つとして回収油、油汚染物の処分の問題があげられます。一時貯蔵所、輸送手段もチェックポイントの1つです。
しかし何と言っても最大の関心事は、費用の問題です。保険代理人、行政機関との周到な確認が必要です。中東の或る国では費用の調達が遅れて、一時、防除作業が中断したこともありました。
2. 活動
資機材を使用しての防除作業に入る前のステップとして、次の5点が重要です。
1] 流出油の確認
2] 環境データの確認
3] 適用資機材の検討
4] 監視
5] 作業組織の編成
流出した油の量もさることながら、油の素性・性質の確認が極めて大切です。何故ならば油の種類・組成がわかれば、その流出油がその後どのような経時変化を示すかが予測できる可能性があるためです。それから天候、海流等の自然現象のデータ収集も重要です。これらのデータから流出油の漂流の予測ができます。その予測に基づき、現場作業の計画を効率的に立てることができます。
流出油の挙動の予測ができた段階で、適用する資機材の選定を行います。同時に予測した油の挙動を注意深く監視します。予測はあくまでも予測ですから。そして現場で作業するグループと陸上の後方支援グループの編成を行い、指揮者の計画説明後、作業に入ります。