海上に漂っているW/O型エマルジョンは、その外見がクリーム、ゼラチン、卵白を加えて泡立たせた菓子、ムース(Mousse)に似ているのでムースとかチョコレートムース(チョコレートのような色をしているから)と呼ばれます。W/O型エマルジョンの処理方法としては、解乳化剤(Demulsifier)を加え加熱することにより油と水に分けることができます。
(4) 流動点
原油または石油製品で分子の大きい(C15以上)パラフィン系炭化水素を多く含むものは、常温では液状でないものもあります。ちょうどグリースのような状態を示すものです。発電用の生焚原油とか低イオウ原油には常温でグリース状になるものがあります。物質が流動性を示すぎりぎりの温度のことを流動点(Pour Point)といいます。生焚原油と低イオウ重油の中には、この流動点が35℃以上のものもあります。つまり、海上に流れ出した際、(このような原油や重油は高い温度50℃前後に温めて輸送します)短時間のうちにグリース状になり、墨やボールのようになります。