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§1. 原油及び石油製品についての基礎知識

 

1. 概要

 

まず、油濁の対応に際しては、直接の汚染の原因である“油”の性質、性状を十分に理解、認識しておかなければなりません(この小冊子では、炭化水素を主体とする鉱物油(石油)のみを取り扱います)。

我々の使用するエネルギーの太宗を占めている石油は、“原油”という形で世に出ます。原因はプロパンからアスファルトまで数多くの炭化水素の混合物です(若干の硫黄、窒素等の化合物を含みます)。また、原油は、産出する地域によっても性状(比重、色、組成等)が異なります。私達は、原油を蒸留という物理的な操作により使い易い形にして使用しています。この他にも二次処理設備(接触改質、接触分解、異性化等)を使用してさらに品質を整えて最終製品にしていますが、あまりにも専門的なのでここでは割愛します。

 

表1-1

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整理してみますと1]→5]の順に比重は大きくなります。つまり、一定の容積の油は1]→5]の順に重くなります。重油の比重は0.9〜1.0、アスファルトの比重は1.0です。したがって、水中に流出した重油はかなりの部分を水の中に沈めた状態で浮遊します。アスファルトは海中に沈みます。

色については、1]〜3]の油(ガス)は、無色〜淡黄色透明です。4]の重油は、褐色ないし黒褐色を示すのが普通です。この黒褐色は、次の項で説明しますが、成分中のアスファルテン、レジンと呼ばれる物質の色です。

 

 

 

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