8. 生物学的環境修復手法を行うまでの事前準備について
わが国では、海洋における生物学的環境修復手法を実施するための法的手続きはできていません。今、もし実施する場合、関係省庁の判断が必要と考えられます。今後、この手法の適用が法律で認められたとしても、その有効性や環境への影響について確認するなどの準備作業が必要です。こうした準備作業は、油の処理を担当する人が行うことが考えられます。主な内容を整理してみます。
(1) 現場調査について
現場調査では、適切な生物学的環境修復手法を選択するために必要な資料を現地および文献により集めます。そして、汚染の原因となっている油の種類・性質および、センシティビティマップという生息している微生物、海流、地形、地下水、動植物、文化財、観光資源などこの修復手法を行うために必要ないろいろな情報を書き込んだ地図を用意します。
(2) 実施可能性調査について
センシティビティマップから、汚染された場所をもとの姿に戻すための最善の方法を決めます。いろいろな方法の中から、実際に行うことが考えられる方法を、作業のやりやすさや費用などとともに検討します。そして、一番良い方法を他のいくつかの方法と比較して決めます。
この方法による作業を、室内とか、あるいは実際に汚染している狭い範囲の場所で行います。この結果を見てから本格的に行う方法を決めます。
(3) 汚染処理実施計画調査について
実施可能性調査で行った現地での作業を参考に、実際に作業するための手順や、作業にあたって気をつけなければならないことを前もって調べて整理し、実際に行う作業のやり方をここで決めます。
(4) 生物学的環境修復手法の地域説明について
生物学的環境修復手法の実施には、住民・漁業従事者など地域の人達が、この修復手法の必要性および特徴などを理解することが必要です。