生物学的環境修復手法関係用語解説
この小冊子及び生物学的環境修復手法(バイオレメディエーション)全般、並びに油濁防除に関する用語の主だったものを選び、その意味することを簡単にまとめてみました。この分野の用語は、まだ歴史も浅く、法律などにより定義されたものも少なく、日本語にうまく訳されたものが少ないのが実状です。適当な日本語訳のない物は、原語のカタカナ表記としました。
油処理剤:Dispersant
わが国独特の呼び名で、化学的には分散剤というのが正しい。油処理剤は界面活性剤と溶剤との混合物である。わが国では運輸省による厳密な審査(型式承認)が行われ、水生生物に害がなく、微生物分解も可能なものを選んで製品化されている。そして、この型式承認を受けたもののみが使用可能とされている。界面活性剤(主として非イオン活性剤)で油を包込み、微細な粒子にし、水中に分散させる。
イントリンジック レメディエーション(自然修復):Intrinsic Remediation
汚染された場所は特に手をかけないか、あるいは、掘削などの簡単な処理をして、そこの地域に生息する微生物により、汚染物質(油など)を分解させ、もとの環境に修復すること。自然界で通常行われているプロセス。
エアスパージング:Air Sparging
地下水面より下層の汚染土壌に空気を圧入すること。空気を圧入することにより地中の好気性細菌の活動を活発にし、汚染物の分解を促進する。
エアレーション:Airation
空気を注入/圧入する操作のことをいう。空気を水中に注入することで、水中に溶解している炭酸ガス、軽質の有害物質を追い出すことと、水中の酸素濃度が高まり微生物の活動を活発にすることが期待できる。
エマルジョン(乳化物(液)):Emulsion
ある液体が他の液体中に微細に分散して入り込み、その温度で安定な乳状になったものをいう。油と水の場合、二つのタイプのエマルジョンが存在する。その一つは、水中油(滴)型エマルジョン(Oil in Water Emulson ; O/W Emulsion)と呼ばれるもので微細な油が水の中に分散したものである。もう一つは油中水(滴)型エマルジョン(Water in Oil Emulsion : W/O Emulsion)である。油濁事故の場合できるのは通常O/W型のエマルジョンである。エマルジョンを形成する場合には、界面活性物質(Surfactant)の存在が必要である。重油は、微量の界面活生物質を含んでいる。