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1. 海洋に流出した油のゆくえについて

 

最近10年ぐらいの間に世界で生産される原油の量は、年間約29億トンから約33億トンに増えています。この約半分の量が海上輸送されています。

1985年頃は、陸上からの流出を含め約330万トンの油が海洋へ流出し、その約33%が船舶の運航に伴う過失等によるもの、約12%がタンカー事故によるものです。この年、世界には約76,400隻程度の船舶があり、その約8.6%の約6,600隻は、一度に多量の原油を輸送する原油タンカーでした。

 

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(出典:国際海事機関資料;1985年)

 

船舶の運航に伴い流出した油は、海に住む微生物などの働きにより自然と分解されてしまうという事実がある一方、原油タンカー事故などにより、一度に多量に流出した際には、海洋の生態系などに影響を及ぼすものと考えられ、問題視されています。いま、世界の原油タンカーは約6,900隻程度になっています。日本の周りの海は、船の往来が非常に多く事故の発生する可能性が高く、私達にとって海洋汚染は身近な問題です。

海洋に流出した油は、蒸発したり、光や酸素により変形したりしますが、多くは、水分を吸収して体積が3〜4倍に、そして粘り気も増した「チョコレートムース」と呼ばれる取り扱いにくいエマルジョンとなります。最終的には、海水や海底の泥の中にいる微生物によって分解されています。ただし、分解するまでには、長い時間がかかり、完了するまでに数年かかることもあります。

 

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海洋に流出した油のゆくえ

 

 

 

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