遺族の方の気持ちを、お話によって知ることができました。私には少なからず重く、はっと胸を突かれる思いがしました。様々な面から解剖実習をとらえ直し、深く考える機会になったと同時に、これからどのような姿勢で医学を学ぶべきか改めて考えさせられました。
解剖実習は、これから医学の勉強をしようという私にとって、全ての始めの一歩だと思っています。実習で学び取ることは、単なる知識や技術にとどまるものではありません。今でも多くの不安を抱えていて、目をつぶりたい、と思うことも度々です。しかし、謙虚さというのは目を伏せてしまうことではなく、きちんと目を開け、顔を上げて、心をこめて接することだと私は思っています。感謝の気持ち、学ぶことに対する真摯な姿勢を忘れずに、解剖実習に取り組みたいと思っています。
白菊会の方々のお話をきいて
朝隈 朋子
正直言って、白菊会の方々との対面式のあと、私は暗い気持ちになりました。というのも、それまでは解剖実習に対して、｢どうしよう、少し怖いな。｣とか｢いよいよ医学生らしい勉強ができる。｣とかいった不安や期待が入り交じった気持ちであり、｢御遺体｣に主眼を置いて解剖実習を考えたことがなかったからです。
