その気持ちを、献体という形で表して下さったのだと気付いたとき「学ばせていただいている」という感謝の念が改めてわくと共に、その期待に応えられる様、一層の努力が必要であることを再認識した。
最後に、献体して下さった方々の御冥福をお祈りすると共に、熱心にご指導して頂いた北條先生をはじめ、第一解剖学教室の諸先生方に心より感謝申し上げます。
解剖実習に当たって
松元 綾子
まず何よりも私が勇気付けられたのは、「献体を希望なさった方は、学生の皆さんがしっかりと勉強する、その役に立つことを望んでいらっしゃるから、皆さんは尻込みすることなく一生懸命実習に取り組んでください。」という、会長さんのお話でした。ここで初めて私は、解剖実習にどのように向き合えばいいのか分かった気がしました。それ以前はただ、御遺体に接する不安や、自信のなさばかりが頭にあり、私がメスを握って御遺体を解剖する資格などあるはずがないと、逃げ出したいような気持ちでした。しかし、そうではない、私が解剖に真剣に取り組み、前向きな気持ちで勉強を重ねていくことこそが大切なのだとはっきり分かりました。
多くの方々の好意によって支えられていることへの感謝の気持ちを、いつも持ち続けたいと思っています。