解剖学実習を終えて
尾崎 明子
樫本 大作
加村 梓
川瀬 史愛
「解剖学」とは「人体の正常な構造を明らかにする学問」であり、その実習の目標は「肉眼レベルにおける人体構造を学習すること」であります。
しかし、私達は今回の実習を通して、もっと大切な何か学ぶことが出来たように思います。
第一日目、ビニールに包まれて安置されている御遺体を、各班四人で実習台に運ぶところから私達の実習は始まったのですが、ビニールに被われた、まだ顔も体も見えない御遺体を目の前にして、ただただ恐く、泣き出したいくらいでした。
しかし、「これは実習なのだ、私達のために献体して下さった方の意志に応えるのだ、精一杯、御遺体から学ぶのだ」と必死に自分達で言い聞かせ、何とか気持ちを落ち着かせたのでありました。
そんな風に始まった実習でありましたが、日を追うにつれ不思議なことに、あんなに恐れていた御遺体に対して、親しみの様な気持ちが生まれてきたのです。その方の家族や最期の日々の事などを想像することに始まり、次第に自分達の家族のことにも思いは広がり、