解剖学実習を終えて
西村 泰彦
西村 祥一
野口 和男
橋本 厚子
医学を志す私達にとって、解剖学とは、医学の道への第一歩とも言うべき、まさに登竜門でした。その登竜門を、約半年間という長い時間をかけて無事に終え、今、再び次の一歩へ踏み出そうとしています。
医師になるためには当然の如く、医学部に入学することが第一条件であり、その為に私達は少なからず勉強に励んできたつもりです。振り返ってみれば、この勉強は医学部に入るための勉強であり、医師になるための勉強ではなく、自分のための勉強であり、自分の力次第といえる勉強でした。実際、医学部に入学しても、一年次生、二年次生の講義内容には直接的に医学に関わるようなものは少なく、他学部との差異もさほどなく、医学部における勉強に疑問を抱いていた頃、その答えに導いてくれたのが解剖学実習でした。
いずれこの日がやってくることは覚悟していたものの、最初のあの胸を突き付けたような大きなショックは今でも忘れることができません。