火葬の終わった日、改めて父の言った言葉を思い出した。僕はまだ灯し火を借りたばかりの医学生にすぎないのだ。今後、解剖学、特にこの解剖実習を土台として、様々なことを勉強しなければならない。そして、実際に医療現場に立ってその灯し火を別のことにお返ししなければならない。それが、医学生であり、将来の医師になるべく僕の義務であり、篤志献体をしていただいた方への感謝のしるしとなるからである。
解剖学実習を終えて
福島 千加子
約一ヶ月半、いろいろ考え、学んだ解剖実習が終わった。やっと終わったような気もするし、あっという間だったという気もする。いづれにせよ、人が人を解剖するという普通では経験できないことを、多くの方々に支えて頂きながら無事終えることができ、感謝の気持ちでいっぱいだ。
