そして、探求心を持って最終日まで手をぬく事なく頑張りぬくことができました。私達を立派な医者にするために献体して下さった方の御遺志を裏切らなかったと思っています。
最後になりましたが、大切な御遺体を献体してくださった御本人様、並びに御遺族の皆様、御指導してくださった先生方、忙しい中我々を指導しに来てくださった脳外科の先生方に、心から感謝の気持ちを述べさせていただくと共に、故人の御冥福をお祈り申しあげます。
解剖学実習で感じた不安と感動
則行 麻衣子
九月中旬から始まった解剖実習も、もう残り少なくなってしまいました。解剖実習の初日、御遺体を前にして、なかなかメスを入れることができなかったのを今でもはっきりと覚えています。いくらお亡くなりになっているとはいえ、人の体にメスを入れるという行為に対して、何とも言えない恐怖感があったからです。しかし、間もなくその言い知れない恐怖感も薄らいでいき、手も動くようになってきました。ところが今度は、また別の不安が頭をもたげてきたのです。