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毎回の実習を確実にやればやるほど、時間と体力を費やすもので何度実習を休みたいと思ったことか数えきれません。しかし、ここで逃げてしまうと医学発展のためにご献体なさった御遺族のその誠意を無駄にしてしまうと何度も自分に言いきかせて、また、同じ班員からも助けられ最後まで頑張っていくことができました。しかし実習は辛いだけのものではなく楽しいものでもありました。同じ班員と深く知り合えたことが私にとって一番楽しいものでした。

今思えば、五月から十二月までの約八ヵ月間は長いようで短いものでした。後期になると実習のテストも加わることもあって、毎日がさらに充実していました。医学部に入学して医学部生らしいことを一つだけやり終え医師に向かっての第一歩をふみ出したのかなと思えるようになりました。半年前の私にはとうてい想像もできなかった言葉です。

 

解剖学実習を終えて

小原 朋子

解剖学実習は医者を志す医学生にとってとても大切な授業であるということを約一年間を通し実感しました。この解剖学実習を行うにあたり献体してくださった方々に深い感謝の気持ちでいっぱいです。

初めて実習を行った日は、専門分野にとりくめるという期待とうまく剖出できるかどうかという不安でいっぱいでした。

 

 

 

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