日本財団 図書館


しかし実習が進むにつれ少しずつ馴れていきスムーズに剖出できるようになりました、前期に行った解剖学の授業で学んできたことが目で確かめられる一方で人によってかなり個人差があり、破格がでる場合もあり、教科書通りではないところに少々とまどいを感じてしまうこともしばしばありました。しかし、どれをとってみても体の構造はたくみにできており、そのことに感動し、ますます解剖学実習への意欲がわいていきました。とても細い血管や神経が体中にあり、その一つ一つどれをとってみても体にとって重要な役割を果たしているのです。それを熟知した上で病人を治していくというのはいかに大変であり、責任重大な仕事であるかとあらためて思いました。立派な医者になるためにも基礎であるこの勉学に日々はげんでいかなければという気持ちを持ってのぞんでいました。

解剖学実習を行った日々は私にとって医者になる第一歩として貴重な時期でした。その時期を与えてくださった献体された方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。献体された方の思いを無駄にしないように一生懸命学ばせていただきました。また、学ぶにあたっていろいろとご指導してくださったり、ためになる知識をたくさん教えてくださった先生方には深く感謝しています。いっそう人の体の構造がわかり、何故そのようになってきたのか、何故そのような名称になったのかが理解できました。

忙しく、つらい時期に励ましあい、助けあいながら無事実習を終えることができた実習のパートナー達にも感謝の気持ちをもちながら報告を終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION