私たちは今、たくさんの機械を扱う最先端を行く、何の病気でも治せる医師になろうとしています。しかしながらそこにおいて忘れがちなのが、患者さんの一人一人の"痛み･悩み･苦しみ"を感じ取るということであり、これの有無が、病気を治すだけでなく病人をも癒すことのできる"真に必要な医師"であるか、もしくは"必要でない医師"であるかを分ける大きな要素であると言えると思っています。
解剖学実習が終わり、御遺体から生きた知識だけではなく、患者さんの立場で医療を行うことのできる真に必要な医師になれるための心の栄養までをも賜ることができ、大変有意義な解剖学実習であったと確信しています。最後に、私たちの医学的知識と技術のためにと御遺体を捧げて下さった方々、並びにそのご家族の皆様の善意に心より深く感謝するとともに、御遺体を捧げて下さった方々が神の生命にあずかっていることを信じて、御冥福をお祈り申し上げます。
解剖学実習を終えて
川村 真貴子
実習を終えて改めて思い返してみると、自分はご献体して下さった方、そして遺族の方々に対し感謝の気持ちでいっぱいです。
実習を始める前は、ご遺体を前に自分はしっかり実習ができるのかどうか不安もありましたが、今ではどんな実習にも勝る重要な勉強をすることができ、本当によかったと思っています。
