(3) もやい銃の操作に係る事故防止
イ 平素からもやい銃の操作等の訓練を実施し、その取扱を熟知しておく。
ロ 船体が動揺している場合は、補助者をつける等してできるだけ安定な状態とする。
特に、横傾斜に注意して発射角度を誤らないようにする。
ハ もやい銃は良好な状態で使用できるよう点検整備し投射索は絡まないよう整理しておく。
III 火災船救助
1 基本方針
火災船救助において最も重要なことは、船舶火災の消火の困難性や爆発の危険があること等を十分認識の上、人命救助を第一義として行動すべきことである。
2 消火活動
(1) 安全確認
消火活動を行う為には船体図面、あるいは、乗船者の証言が必要であり、火災船の実態が十分確認されなければならない。
又、船舶の種類、火災の規模により爆発、有害ガスの発生も予想されるところであり、又、積載物の倒壊等もあることから、船内消火活動は初期段階を除いては十分、安全確認を実施して行う必要がある。
(2) 先制集中
火災消火は初期段階に先制集中的に行うことが効果的であり、火災船乗組員の自救処置として行われるものに協力する形で行うものとする。
火災の初期は局部的燃焼であり、可燃物より可燃ガスが発生し、開口部から白煙が噴出し多少黒煙が混ざる状況にある。
(3) 初期段階の消火活動
乗組員の指示を参考として火点部に注水するが、過度の注水による船体傾斜、あるいは、沈没の事態が発生しないように同時排水、又は、注水方法に注意して行うものとする。