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(イ) 保証書が提供される場合12

1] 保証書が、告知した額の担保金が保証書の提供の日の翌日から起算して1月以内に本邦通貨で提供されることを保証するものであること。

2] 保証書に従って担保金を提供することになる者が、(ア)の3]に規定する者に該当すること。

3] 保証書に従って担保金が確実に提供されると認められること13

(3) 提供された担保金は、主務大臣が保管することとされる。事件が取締官から検察官に送致された後においても、引き続き主務大臣が保管することになる(第26条第1項、EZ漁業法施行令第9条第1項)14

(4) 担保金は、事件に関する手続において、違反者が求められた期日及び場所に出頭しない等の場合に、当該期日の翌日から起算して1か月を経過した日に国庫に帰属することとされている(第26条第2項)。

これは、違反者が通常の刑事手続に従って負担すべき責任を果たさないことが明らかとなったことに対して、その制裁として、担保金を国庫に帰属させることとしたものであるとされる15

しかし、出頭期日に違反者が出頭しなかった場合でも、やむを得ない事由がある場合もあり得るので、当該期日の翌日から起算して国庫帰属の前日である1か月を経過する日までに当該期日の翌日から起算して3か月以内の日を特定して出頭等する旨を申し出れば、担保金の国庫帰属は停止することとされている。16

12 命令第5条は、保証書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。1]担保金の提供を保証する者の氏名又は名称、住所及び担保金を提供する者との関係、2]拿捕に係る船舶の名称、3]違反者の氏名、4]拿捕の年月日、5]提供する担保金の額、6]担保金を提供する者の氏名又は名称、住所及び違反者との関係、7]第5号の額の担保金が排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律施行令(平成8年政令第212号)第8条第1項第2号イに規定する期間内に本邦通貨で提供されることを保証する旨、8]保証書の提供の年月日、9]その他必要な事項、である。

13 この場合において、期間の末日が日曜日若しくは土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日又は1月2日、同月3日若しくは12月31日に当たるときは、その日は、当該期間に算入しない(EZ漁業法施行令第8条第2項)。

14 保管する担保金の取扱いに関しては、法及び関係政省令に規定するもののほか、保管金規則(明治23年法律第1号)及び保管金取扱規程(大正11年大蔵省令第5号)による。

なお、昭和52年の日ソ漁業協定の段階では、会計法第33条に基づき、外国漁船の拿捕に係る担保として提供された現金等の保管に関する政令(昭和52年政令第256号)により、担保金の取扱いがなされていたが、担保金を国庫に帰属させるために法律上の根拠が必要だという理由で、漁業水域暫定措置法にボンド制度が導入された。小倉哲浩「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律におけるボンド制度について」研修588号120頁。

15 注6参照

16 命令第6条は、出頭期日等の変更の申出について、法第2条第2項ただし書きの規定による申出は、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。1]申出を行う者の氏名又は名称及び住所、2]拿捕に係る船舶の名称、3]拿捕の年月日、4]違反者が出頭する年月日又は押収物を提出する年月日、5]前号の日に出頭する違反者の氏名又は提出する押収物、6]その他必要な事項。

 

 

 

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