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担保金の額は、事件の種別及び態様に応じ、違反の類型、その罪に定められた刑、違反の程度、違反の回数などを考慮して主務大臣が定める基準に従って、取締官が決定することとされている(第24条第2項、EZ漁業法施行令第7条)。

(2) 担保金又はその提供を保証する書面が政令で定めるところにより主務大臣9に対して提供されたときは、主務大臣は、遅滞なくその旨を取締官又は検察官に通知し、その通知を受けた取締官は、遅滞なく、違反者を釈放し、押収物を返還しなければならない(第25条第1項・第2項)。検察官は、主務大臣から通知を受けたときは、遅滞なく、違反者の釈放及び押収物の返還に関し、必要な措置を講じなければならない10(第25条第3項)。

政令においては、担保金等による釈放等の措置がとられるためには、以下の要件が充足される必要がある(EZ漁業法施行令第8条第1項)。

(ア) 担保金が提供される場合11

1] 担保金の額が告知した金額であること。

2] 担保金が本邦通貨で提供されること。

3] 担保金を提供する者が、違反者又は拿捕に係る船舶の船長その他主務大臣が適当と認める者であること。

4] 担保金の提供が、告知の日の翌日から起算して10日以内(取締官が20日を超えない範囲内において延長したときは、その期間内)に行われること。

9 主務大臣は、漁業監督官に係る事件については農林水産大臣、海上保安官に係る事件については運輸大臣、警察官に係る事件については内閣総理大臣となる(EZ漁業法施行令第9条第1項)。

10 検察官の講じるべき措置として、釈放及び押収物の還付・仮還付のほか、裁判所に対する勾留取消請求並びに押収物の還付及び仮還付の職権発動の申立てなどがあるという。小倉・前掲解説121頁参照。

11 命令第4条は、担保金を提供する者は、主務大臣に対し、次に掲げる事項を記載した担保金提供書を併せて提出しなければばらない。この場合においては、保管金取扱規程(大正11年大蔵省令第5号)第5条第1項又は第2項の保管金提出書を省略することができるとする。そして、1]担保金を提供する者の氏名又は名称、住所及び違反者との関係、2]拿捕に係る船舶の名称、3]違反者の氏名、4]拿捕の年月日、5]提供する担保金の額、6]担保金の提供の年月日、7]その他必要な事項、をあげる。

 

 

 

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