デルヴァン号はイギリス領海内をゆっくりと航行して11月12日21時に南海岸の港リトルハンプトンに入港した。積み荷の陸揚げ後21時10分にデルヴァン号はリトルハンプトンを出航。直ちに陸上の犯人は逮捕され、デルヴァン号も内偵していた職員の支配下におかれた。その直後、ロンドンで作戦を指揮していた税関職員は、国防大臣に対して機動部隊にポセイドン号を停船させるよう命令することを要請。23時13分に命令が下った。しかし、ポセイドン号の停船に関しては、同船の構造および天候条件などから、夜明けを待って行うことになり、ヘリコプターから乗船して停船させることになった。
11月13日の朝7時33分から2回、ポセイドン号に向けてVHF無線を用いて呼びかけが行われたが、返答はなかった。この際、停船命令は行わず、船名による呼びかけのみが行われた。この時までにヘリコプターがポセイドン号に40フィートの距離まで近づいており、ヘリコプターからはVHF無線を用いて、「税関により停船命令が出ている」旨の発信が行われた。この発信にも応答はなかった。その後、ヘリコプターからの乗船が行われ、8時前に船のコントロールが確保された。
ポセイドン号の停船までに、デルヴァン号がポセイドン号を離れてから65時間20分が過ぎており、デルヴァン号がイギリスの領海に入ってからも54時間以上が経過していた。乗組員は大麻の密輸共犯容疑で逮捕され、ポセイドン号はポーツマスに回航された。
被告が送検された直後の12月8日付で、国は公海条約に規定されている追跡権の行使によって、被告を公海上で逮捕したことを裁判所に通告した。1995年春、ポセイドン号乗組員の6人は、旗国の事前同意のない国際法上違法に行われた公海上での逮捕の結果としての起訴であることを理由として、訴訟手続きの中断を求めた。しかし、裁判長の、ポセイドン号の拿捕は公海条約および海洋法上適法に行われたとの判断により、訴訟は継続された。