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2. 海洋汚染の現状

 

海上保安庁では、油、廃棄物又は工場排水などによる海洋汚染を巡視船艇・航空機等によって自ら発見するとともに、海洋環境保全推進員及び海事・漁業関係者など海上保安庁以外の者からの通報を受けてこれを確認することにより、我が国周辺海域における海洋汚染の実態を把握している。

海上保安庁が、我が国周辺海域において確認した海洋汚染の発生状況は、次のとおりである。

 

(1) 発生確認件数の推移

最近の我が国周辺海域における海洋汚染の発生確認件数は800件前後で推移し、全体的には、減少傾向を示している。

このような、海洋汚染の減少傾向は、昭和45年のいわゆる公害国会以来一連の公害防止開運施策が講ぜられるとともに、公害問題に対する世論の高まりから関係者の公害防止意識も高まり、その効果が現れてきたものと考えられる。

また、運輸省及び海上保安庁が、海事関係者などに対して、関係法令や汚染防止のための具体的な方策等についての指導を強力に推進してきたこと及び海上保安庁が巡視船艇・航空機等を効率的に運用して強力な監視取締りを実施してきたことが、海洋汚染の減少に大きく寄与しているものと考えられる。

 

(2) 種類別

種類別にみると油によるものが最も多く、全体の過半数を超え、有害液体物質、廃棄物及び工場排水等によるものが全体のほぼ3分の1を占め、次いで、赤潮と続いている。

 

 

 

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