(3) 海域別
海域別にみると、全体の4割前後は、東京湾、伊勢湾、大阪湾及び瀬戸内海の4海域において発生している。
これらの海域は、人口の集中している大都市や臨海工業地帯を控えていること及び船舶交通量も他の海域に比べて多いことから、汚染発生の可能性の高い海域となっている。
(4) 排出源別
排出源別にみると、油による汚染では、船舶からのものが全体の8割前後を占めており、排出源不明のものも、発見場所や浮流状態から見て、そのほとんどが船舶からのものであると推定される。
また、油以外による汚染では、陸上等からのものが全体の7割前後を占めている。
(5) 原因別
排出源の判明しているものについて原因別にみると、油による汚染では、故意によるもの、燃料補給作業等におけるバルブ操作の誤り等の機器取扱い不注意によるもの及び海難によるものが、それぞれ全体の3分の1ずつ占めており、タンク等の破損によるものは数%である。
船舶からの機器取扱い不注意による油の汚染は、燃料油取扱作業中のミスによるものが最も多く、全体の約半数を占めており、これらの内訳は、多い順に補給作業中、移送作業中、ビルジ取扱作業中となっている。
なお、これらの原因を見てみると、そのほとんどが初歩的なミスによるものであり、燃料油取扱作業中のミスの内訳は、タンク油量の計測不適切が過半数を占め、バルブ操作の不適切、ポンプ操作の不適切、関連機器点検整備不十分と続いている。
油以外による汚染では、故意によるものがほとんどである。