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過去において実施されてきたモニター制度と、今回新しく採用されたボランティア制度の相違点をあげると、つぎのことがいえるのではないでしょうか。

(1) モニター制度とは

行政機関やその出先機関が末端の情報や資料を入手するために、あらかじめ指名された人たちから広く意見を求めることにより、それらの意見を行政に反映するために導入された制度で、ある程度の義務責任を負うことになるわけですが、そのかわり自分たちが行った行動が行政に何らかの形で生かされるというささやかな期待感が持てるという特徴があります。

(2) ボランティア制度とは

不特定多数の人々が、個人又は自分たちの所属する団体の一員として、社会や地域活動に無料で奉仕する行動で、強制や義務責任を負うものではありません。従って、自分たちの行った行動が、行政に反映できる保証はほとんど期待できないといっても過言ではありません。

では、現在一般に行われているボランティア活動は、いったい誰のために、どんな目的をもって行われているのかと問いかけるならば、その答えは一様ではなく、それぞれ異なった答えが返ってくるのではないでしようか。

なかには、真の奉仕者として社会に自ら貢献したいという思いから始めた人、あるいは所属するサークル活動の一環として行動している人、なかでも最近特に増えてきているのは、実践活動を通じて勉強したいからという体験型が実感として多いように思っております。

また、年輩の方では、自分の健康管理のために無理をしない程度に続けておりますといった一石二鳥型もよく見かけるタイプです。

平成8年度のブロック会議の席上で、ある推進員の方から、我々の活動成果をもっと行政に反映していただきたい、という発言がありましたが、このご意見には私も全く同感です。貴重な時間を割いて額に汗した結果が、単に実績作りや資料の収集に終わってしまうようなことがあってはいけないと思います。

 

 

 

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