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環境月間に寄せて

―舞鶴地区・海洋環境保全推進員 高橋正延氏─

例年6月に入りますと「環境月間」にちなんで、各地においてボランティアを中心にした様々なイベントが繰り広げられ、年々この輪が大きく広がってきている今日ですが、残念ながらこの体系は、あなたまかせの「行政主導・ボランティア依存型」で、いっこうに変化がなく、関係者の苦言を誘っているところであります。

元来、ボランティアは自発的な奉仕活動であって、求められて応じるものでは、真の姿とはいえません。また、これとは逆にボランティアを強制したり依存することも決して好ましい姿ではないと思います。

私は、海の「クリーン・キャンペーン」活動を始めてから今年で十年目を迎えたわけですが、ここまで続けてこられた最大の理由は「自分たちの海を自分たちの手で」守ろうという強い信念と、できるだけ多くの資料を収集して、これらをなんらかの形で行政に反映し、一日も早く30年前の「たくさん魚の釣れた青い海」を取り戻したいと言う大きな夢を追いかけていたからだと思っております。

この間の活動を通じて幅広い多くの人との出会いがあり、大変貴重な資料やありがたいご意見も賜ることができ、今でも感謝しております。

また、行政機関や関係窓口へも何度となく足を運び、集めた資料やデータを提出して、今日おかれている厳しい現状について説明し、改善策を求めてきたわけでありますが、その中のごく一部を除いては、縦割り行政の大きな壁にはばまれ、門前払いや窓口のたらい回しに終わることが多く、苦渋をなめさせられてきたことも、今にして思えば一つの励みになったように思っております。(中略)

さて、(財)海上保安協会においても、今までのモニター制度から新しくボランティア制度に生まれかわったわけですが、この制度が発足して以来まだ日が浅く、将来への位置づけや方向性を定めるためにはある程度の期間が必要かと思われます。

 

 

 

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