1 船舶が港を出入りするとき、船舶が狭い水路を通過するときその他の場合において航海当直の員数を増加するとき。 4時間
2 法令に基づく手続のために必要な作業に従事するとき。 2時間
3 事務部の部員が調理作業その他の日常的な作業以外の一時的な作業に従事するとき。 2時間
「特別の必要がある場合」は、前記の「臨時の必要がある場合」と異なり、いずれも必要が生じることは予定し得るものであるが、これらは船舶の航行にとって不可欠な作業であり、またその内容は限定的かつ一時的なものに限られることから、時間外労働をさせることが認められる。
1 第1号の「航海当直」には入出港時の総員配置体制が含まれる。
2 第2号の手続には、出入国管理に係る手続等が含まれる。
3 第3号の「日常的な作業以外の一時的な作業」には、例えば、貨物船における外来者接待のための作業が含まれる。
3] 労使協定による時間外労働(第64条の2、則第42条の9の2)
船舶所有者は、公衆の不便を避けるために労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる必要があると認められる船舶に乗り組む海員について、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合には、その協定で定めるところにより、労働時間の制限を超えて作業に従事させることができる。
労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる必要があると認められる船舶は、沿海区域又は平水区域を航行区域とする総トン数700トン未満の船舶で国内各港間のみを航海するもののうち定期航路事業に従事する旅客船であり、かつ、次の事項に適合するものである。
1 季節的要因等により一時的に輸送需要が増大する場合に運航回数を増加させる必要があること。
2 運航回数の増加を行うために必要な海員を臨時に雇用することが困難であること。
船舶所有者は、協定を締結したときは、当該協定書及び第十六号の三の二書式による届出書を所轄地方運輸局長に提出しなければならない。
協定には、次に掲げる事項を含まなければならない。
1 労働をさせる必要がある具体的事由
2 対象となる海員の職務及び員数
3 作業の種類
4 労働時間の制限を超えて作業に従事させることができる期間及び時間数の限度並びに当該限度を遵守するための措置
協定には、有効期間の定めをするものとする。(2年以内)