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(5) 送還及び送還手当

船舶所有者は、次に掲げる場合には、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港(雇入のため雇入港に招致した船員、未成年青年及び女子船員にあっては雇入港又は雇入契約成立時における居住地)又はそこまでの送還に要する費用(*1)の範囲内で送還できるその他の地まで船員を送還するか、送還に代えてその費用を支払わなければならないこととなっている(第47条)。

1] 船舶の沈没、滅失又は運航不可能により雇入契約が終了したとき(第39条第1項)。

2] 船員の著しい職務不適任又はやむを得ない事由により船舶所有者が雇入契約を解除したとき(第40条第1号、第6号)。

3] 船員の負傷、疾病による職務不可能により船舶所有者又は船員が雇入契約を解除したとき(ただし、当該負傷又は疾病が職務外のものであり、かつ、船員に故意又は重大な過失があった場合は除かれる。)(第40条第5号、第41条第1項第3号)。

4] 船舶の雇入契約成立時の国籍の喪失又は雇入契約に定められた労働条件と事実との著しい相違により、船員が雇入契約を解除したとき(第41条第1項第1号、第2号)。

5] 船舶所有者が期間の定めのない雇入契約を24時間以上の期間を定めて書面で解除したとき(第42条)。

6] 船舶所有者の変更により新所有者との間に存するとみなされる雇入契約を船員が解除したとき(第43条第2項)。

7] 雇入契約が期間満了により船員の本国以外の地で終了したとき。

8] 船員が健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。

(*1) 船舶所有者の負担すべき船員の送還の費用は、送還中の運送費、宿泊費及び食費並びに雇入契約終了時から遅滞なく出発する時までの宿泊費及び食費である(第48条)。

また、船舶所有者は、船員の送還に要する日数に応じ給料と同額の送還手当を支払わなければならないこととされている(第49条)。

 

5. 船員手帳

船員手帳は、船員の身分証明ともなるべき書類で、船員の雇入契約期間、履歴関係、有給休暇関係、船員保険関係、健康証明関係等について記載した書類である。船員手帳は、雇入契約の公認等船員の労働保護のため行政監督上必要な書類であるとともに、船員が外国航路において航海する場合には、旅券としての効用をもつ書類であり、船員は、この船員手帳を受有しなければならないこととされている(第50条第1項)。

 

(1) 船員手帳の交付

船員となった者、あるいは船員として雇用されることを予約された者は、遅滞なく、最寄りの地方運輸局等の事務所に出頭し(*2)、次に掲げる要領により、地方運輸局長等に対して船員手帳の交付を申請しなければならないこととなっている。ただし、日本国外において船員となった者は、船舶が国内の港に到着した後に申請すればよいとされている(則第28条、第29条)。

(*2) 日本国外において船舶に乗り組む者(船舶が国内の港に到着した後に申請する場合を除く。)、身分証明を希望しない外国人等が船員手帳を申請する場合は地方運輸局等の事務所に出頭することを要しない(則第28条第3項)。

 

 

 

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