ただし、療養のための休業期間が3年を超えた場合又は天災事変等やむを得ない事由により事業の継続が不可能となり、その事由につき所轄地方運輸局長の認定(*1)を受けたときは、この限りでない(第44条の2)。
1] 船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため作業に従事しない期間及びその後30日間。
2] 産前産後休暇期間及びその後30日間
(*1) 解雇制限の除外認定
船舶所有者が、この認定を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書2通を所轄地方運輸局長に提出しなければならない。
(i) 解雇しようとする船員の氏名、性別、職務及び雇用年月日
(ii) 最近の雇入契約の成立の年月日及び雇入契約の終了の年月日
(iii) 認定を受けようとする事由
(2) 予備船員の解雇
予備船員制度がある場合には、雇入契約の終了により乗組員は予備船員となるが、船舶所有者は、この予備船員を解雇しようとするときは、少なくとも30日前に予告するか、予告しないときは1月分の給料と同額の予告手当を支払うか、予告日数が30日に満たないときは短縮する日数に応じた予告手当を支払わなければならないこととなっている。ただし、天災事変等やむを得ない事由のため事業の継続が不可能となった場合又は予備船員の責に帰すべき事由がある場合において、当該事由について所轄地方運輸局長の認定を受けたときはこの限りではない(第44条の3)。
(3) 失業手当の支給
船舶所有者は、船舶の沈没、滅失又は運航不可能により雇入契約が終了したとき(第39条第1項)は、その翌日(行方不明となった船員についてはその生存が知られた日)から2カ月(行方不明手当の支払を受ける船員については、行方不明中の期間を除く。)の範囲内で、船員の失業期間中毎月1回その失業日数に応じ給料の額と同額の失業手当を支払わなければならないこととなっている(第45条)。
(4) 雇止手当の支給
船舶所有者は、次に掲げる場合には、遅滞なく、船員に1月分の給料の額と同額の雇止手当を支払わなければならないこととなっている。(第46条)。
1] やむを得ない事由により、船舶所有者が雇入契約を解除したとき(第40条第6号)。
2] 船舶の雇入契約成立時における国籍の喪失又は雇入契約に定められた労働条件と事実との著しい相違により船員が雇入契約を解除したとき(第41条第1項第1号、第2号)。
3] 船舶所有者が期間の定めのない雇入契約を24時間以上の期間を定めて書面で解除したとき(第42条)。
4] 船舶所有者の変更により雇入契約が終了したとき(第43条第1項)。
5] 船員が健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。