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Maerskは、高雄港での専用バースを増やしており、東アジアのハブとして高雄港を活用する姿勢を強めている。Maerskは同一アライアンスに属するSea-Landとともに、Nantaiが運航する直航船(250TEU、360TEU2隻)の全キャパシティをチャーターしている。同様に、OOCLは、関連会社であるChinese Maritime Transportの70TEUをブロックチャーターしている。

今後、第二段階として、オフショアシッピングセンターを再輸出向け倉庫、半完成品加工施設に拡大する、さらに第三段階として、輸出処理施設、倉庫・積み替えセンター、工業・商業地域、郵便物配送システム、通信施設を有する特別オフショア経済地区を設置し、同地区進出企業に対しては中国本土と直接貿易を認める計画がある。

しかし、現在、より大きな港湾での直航を求める台湾に対し、中国側はその要求を認めていない。今後、さらに直航化を進めることは、台湾政府の三通制限政策とのかねあいもあり、政治的に難しい問題が残されているとみるべきであろう。

 

(6) 港湾間の連携

台湾島規模での海運システム強化策として、港湾間の連携と台湾一周航路の整備が進められている。交通部では97年3月「台湾地区国際発展計画」を策定し、各国際港湾の将来発展におけるそれぞれの重点項目と役割が定められた。高雄港が国際ハブ港湾としての役割を担う一方、基隆、台中港では支援機能が拡張される。

各港湾の機能をシステムとして結び付けるため、沿岸航路の整備が進められている。ここで注目されるのは、コンテナ貨物のハブ港湾化を進めるため、限定的ではあるがカボタージュ(外国船社に国内輸送を認めること)開放が行われたことである。外国籍船舶は、基隆、台中、高雄3港間について自社コンテナ輸送が認められ、台湾船社も含め4社が許可を受けて運航している。

 

(7) 複合輸送の促進

沿岸航路の整備に加え、鉄道による台湾島内のコンテナ複合輸送が進められている。これまでコンテナの内陸輸送は、ほぼ100%トラック輸送によって行われてきた。しかし、交通渋滞が慢性化し、コンテナの集中する週末にとくに運転者不足が顕著になってきたことから、複合輸送促進政策が採用されるようになった。

1995年、「交通分野への民間投資奨励条例」が成立し、複合輸送分野への民間企業が可能になった。1996年、交通部の支援を受け、民間事業者9社によって複合輸送会社Taiwan Intermodal Rail Company(TIRC)が設立された。民間事業者は、船社を中心とするHapag-Lloyd、Maersk Taiwan、Mitsuhi OSK、P&O Nedlloyd、Neptune Orient Lines、Sea-Land、Yang Ming Marine、UTL、Frederic R. Harris Inc.によって構成されている。

TIRCと台湾鉄道局は、複合輸送分野で協力関係を結んでいる。

 

 

 

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