先に見た中国を原産地国とするあるいは中国を仕向地とする香港の再輸出額・比率の増加・上昇は広東省をはじめとする中国への製造業の移転と中国の生産拠点化、さらには市場としての中国の比重の増大および香港製造業の空洞化という相互作用的な要因によって進展してきている。このことはコンテナ貨物発生地としての香港の地位の絶対的・相対的後退と広東省をはじめとする中国沿海地域のコンテナ貨物発生地としての台頭あるいは香港の集荷圏の中国沿海部依存の強化を、当然もたらす。
図表II-2-12は1996年の香港港のコンテナ貨物流動を見たものである。香港港が取り扱っているコンテナ貨物は輸(移)出入ともに、半分以上を台湾を含めた中国に依存している。当然、華南圏との間のコンテナ貨物流動が最も多く、全体のおよそ3割を占めている。