さらにその他の主要原産地国から輸入され再輸出される商品の多くが中国を仕向地としている。つまり香港は中国が諸外国から商品を輸入する際の輸入窓口としての役割をも持っており、その役割は年々強化されつつある。
2) 香港の対中投資動向
中国の直接投資受入状況を国・地域別に見てみると(図表II-2-8)、香港・マカオが圧倒的に多い。もとよりその他の国々が香港・マカオ経由で対中投資を行っているケースも含まれているが、直接投資面でも香港経済が中国経済と緊密な関係を持っていることには変わりはない。香港から中国への直接投資の多さは香港から中国への産業移転が進んでいることを示すものである。この背景には香港における生産要素価格の上昇がある。香港における人件費や地価の上昇は香港系製造業の国際競争力を低下させる大きな要因であった。そこで香港系製造業は競争力回復・維持・強化のために生産要素価格の低い中国へと続々と進出したのである。
次に中国の中でもどこが最も発展しているのか、そして香港経済と中国国内の発展地域とはどのような関係にあるのかを見てみよう。