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組立てられた製品は、ロジスティクス・パートナーのフェデラル・エクスプレスがペナン空港から成田空港を経由して顧客に納品している。

フェデラル・エクスプレスは、1988年にFedex Logistics Servicesを社内の事業部門として設立した。現在、同事業部は独立採算部門として位置づけられ、顧客の「在庫を減らしたい。商品を迅速にマーケットに届けたい」というニーズに対応している。Express Distribution Centerにおける保管、積替え機能にフェデラル社の迅速な航空貨物輸送サービスを付け加えたExpress Logisticsを提供している。この事業は、アウトソーシングの受け皿を強く意識したものではないが、在庫削減を通じたSCMの改善という点でサードパーティ・ロジスティクスに類似している。

デルに続く直販パソコンメーカーのゲートウェイも同様なオペレーションを採用している。日本ゲートウェイ2000は、マレーシアから日本国内物流センターへの空輸でDHL、物流センターから顧客までの配送で佐川急便と契約している。佐川急便は、時間指定配達するほか、要望があれば別料金でパソコンの設置までを行う。

 

3) フォワーダーのサードパーティ・ロジスティクス(TPL)への取組

フォワーダーは、資産を持たない分、キャリアに比べて柔軟なサービスを提供できる。しかし、参入が容易でサービスも比較的簡単に模倣できることから、価格競争が激化しがちである。フォワーダー各社は、サービス差別化を図るため、ノンアセット型TPLへの取組を強化するようになっている。

日本通運では、国際輸送部門を「インフォメーション・フォワーダー」と位置づけ、「情報を中心において荷主とのパートナーシップを築き、最適の物流を提供できるTPL業者になっていくことを基本」としている。情報ネットワークの中心は「NEWINS」システムで、全世界に15台のホストコンピュータを置き、関係者すべてが情報をみることができる。情報システムをTPLのインフラとして、様々なサービスを提供している。世界各地に生産拠点を受け持つ大手メーカーの調達物流では、部品調達のオーダーを受け、買い付けを代行、梱包、通関、船積みチェックまで管理し、海外工場の生産工程に合わせ、部品をジャスト・イン・タイムで納入している。

検品、流通加工等の特定の機能が必要な貨物に対しては、それらの機能を付け加えたサービスを開発している。米国から日本向けの自動車部品を対象とした「AUTO DRIVE SERVICE」、オランダから日本へのチューリップ球根を対象とする「フラワーエクスプレス」、輸入住宅を対象とする「ハウジングエキプレス」、衣類を対象とする「ファッションエクスプレス」、生鮮食品を対象とする「コールドエクスプレス」等がある。

商社系のNVOCCでも、TPLを目標とする展開がみられる。丸紅エア・エクスプレス、丸紅フレイトシステム、丸紅物流が合併した「丸紅物流」では、丸紅物流保険グループの中核として物流の総合化を目指している。ロジスティクスのアウトソーシングへの対応を含めて、TPLへの対応を進めている。

 

 

 

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