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(c) 養殖フランスガキ血球の生体防御能力、具体的には、1.異物に対する貪食能・2.活性酸素の生成能・3.酵素活性の定期的な測定

b. 調査対象海域

宮城県松島湾東名地先・宮城県石巻湾野蒜沖・宮城県女川湾竹ノ浦・宮城県舞根湾の4地点。

4つの調査地点は、いずれも宮城県の沿岸で、マガキをはじめとする有用沿岸生物の養殖場として知られたところである。これらの海域を選定した理由は、幾つかの点で異なる特徴を有していると考えられたからである。

東名地先および野蒜沖の調査地点は、ともに宮城県桃生郡鳴瀬町の範囲であるが、異なる湾に属すること、一方は内湾であり、もう一方は開けた位置にあるという異なる形態を示すことから選定した。すなわち、今回の調査地点で最も南に位置する東名地先は松島湾にあり、波の穏やかな内湾地形の陸地に近いところで、4地点の中で水深が最も浅く標準海面下約3.5mであった。一方、野蒜沖は東名地先から見て、宮戸島、寒風沢など小さい突起地形を挟んだ東側に位置し、石巻湾にある。今回の調査地点の中で最も沖合いに位置して、通常は外洋水の影響が大きいところであるが、鳴瀬川・吉田川という2つの1級河川が、測定地点の方向に向かって石巻湾に流入するため、雨の多い時期など陸水の影響が考えられるという側面を持っている。

竹ノ浦は、石巻湾の北東側の海岸線を構成する牡鹿半島の北側に位置する宮城県牡鹿郡女川町の女川湾の範囲にある。南三陸の海岸線の特徴とされるリアス海岸に含まれ、入り組んだ地形となっている。今回の調査地点に選定した理由は、これまでも実験材料のフランスガキをこの竹ノ浦に設置した東北大学農学部水圏動物生理学研究室の実験研究用筏に垂下して育成してきたことによる。1994年6月に人工採苗を行い同筏に垂下してから、特に斃死を起こすこともなく順調に生育してきたことを考慮して、ここでの試験飼育群の状態が、1つの判断基準になると考えている。

舞根は、宮城県の最北部に位置する本吉郡唐桑町にあり、典型的なリアス地形で湾の開口部が狭く、湾奥まで細長く複雑である。また、舞根湾は開口部の方向の関係で季節風などの影響を受けにくく、穏やかな場所として知られている。

 

 

 

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