事業の実施内容
1. 事業の目的
文明の初期から人間生活に密接に関わっており、今後も人間の日常生活に最も近しく接すると考えられる“沿岸海域”の保全を図るためには、“そこに住む生物が健康に生きているかどうか”という、生物に優しく、より繊細な視点に立った「環境評価法」に基づいて環境保全を図っていくことが必要であると考えられる。
そこで、本研究事業は、平成9年度に引き続き、沿岸海域に住む代表的な生物の健康度を指標とした、沿岸海洋環境の生物に優しい「環境チェック法」を研究・開発することにより、“生物に優しい沿岸海洋環境保全”に寄与することを目的として、以下の研究項目を実施した。
2. 事業の遂行に関する内容
(1) 事業計画の概要
本研究所が東北大学と共同で系統保存してきたフランスガキ(標準和名:ヨーロッパヒラガキ、学名:Ostrea edulis、一般にフランスガキの名前で知られているため、本研究においては、全体を通してフランスガキと呼ぶことにする)を宮城県沿岸の4箇所の海域で試験的に飼育する。そして、各海域における成長や性成熟等の基本的な生物性状に加えて、生体防御能力を定期的に測定し、海洋環境の一般項目と併せて、各海域におけるフランスガキの生体防御機能の比較、検討を行い、フランスガキの生体防御能力を基本とした環境評価法の確立をめざす。
(2) 調査研究の内容
a. 調査研究項目
(a) 各調査対象海域における海水の一般的な物理化学的性状、具体的には、
1.水温・2.溶存酸素量・3.塩分濃度についての定期的な調査
(b) 養殖フランスガキの成長、性成熟の一般性状に関する定期的な検討