日本財団 図書館


3. 据付け芯出し

DCB形高弾性継手は駆動側(アウタメンバ)と非駆動側(インナメンバ)とは完全に分離しており、アウクメンバとインナメンバの胴部とそれぞれのブレードに囲まれた空間にラバーブロックを挿入しているだけで、他の高弾性継手のように駆動側と非駆動側とがエアとゴムの接着により直接結合されていないので、機関側と減速機側との芯違いの許容値が大きく、大変楽に据付け芯出し作業が行うことが出来ます。据付け時の芯違いは芯振れで±0.5mm、面振れで0.5deg、軸方向で±1.0mmまで許容されます。

 

028-1.gif

 

4. 保守点検

ラバーブロックはカバーで完全に密閉されていて、油等の飛沫で汚損されることはなく、通常は全く点検する必要はありませんが、中間検査や定期検査の時にはカバーを外してラバーブロックの硬度を検査する必要があります。ラバーブロックの使用限度は硬度が初期硬度に較べてIRHD(国際ゴム硬さ単位)硬度で20以上上昇した時を基準とします。しかし、通常の動力伝達ではラバーブロックの半数には負荷が作用しなく、ゴムの劣化の度合いが異なるので、ラバーブロックの点検の際に圧縮側(前進時伝達側)と非圧縮側(後進時伝達側)とのラバーブロックを入れ替えて、ラバーブロックの耐久性を長持ちさせることが出来ます。また、ラバーブロックのゴムが劣化して、寿命に達した場合でも他の高弾性継手のように継手全体を取り替えるのでなく、ラバーブロックのみを取り替えればよく、カバーを外すだけで簡単に作業ができ、大変に経済的でもあります。

 

5. ねじりバネ定数及びねじり振動特性

図-3は最終組立状態でトルク試験の状況を示します。トルク試験機は当社で製作しましたが、NK(日本海事協会)に依頼して精度の検定を受け、試験機として十分な精度である認定を取得しました。

 

028-2.gif

図-3 トルク試験機(AKTQ-30)

 

図-4はDCB837.5形のトルク試験結果を示します。従来の高弾性継手では変位(ねじれ角度)はトルクに比例して変化しているが、DCB形高弾性継手ではトルクが上昇するにつれて変位が少なくなって行きます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION