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DCB形高弾性継手  株式会社 赤阪鐵工所

 

1. はじめに

株式会社赤阪鐵工所は英国のRENOLD Hi-Tec Coupling社(当時はHolset Engineering社)の間でDCB形高弾性継手の製造販売に関するライセンス契約を結び、1995年7月から販売を開始し、1998年9月までに主機─減速逆転機駆動用としてDCB837.5形高弾性継手100セットを納入しました。使用限界に達した高弾性継手を新替えする際に従来の他社製継手からこのDCB高弾性継手に換装するケースが多くなっておりますが、その際に弾性継手のねじり振動特性が大きく変わり、前の継手ではアイドル運転時に問題となっていた危険回転がDCB高弾性継手の場合には無くなるという大きなメリットがあります。

これを機会に製品の紹介とすでに新造船に納入した就航実績も出てきましたので、その追跡調査結果を合わせ紹介します。

 

2. DCB形高弾性継手

DCB形高弾性継手は主に船舶推進軸系、大出力発電装置、往復動コンプレッサ駆動用に開発されたもので、特に耐久性に優れ、軸径ねじり振動対策を容易にしております。このシリーズは1960年に開発されてから、既に30年が経過し、この間ヨーロッパでは舶用推進軸系に数多く採用されてきました。図-1に組立図、図-2に構成部品展開図を示します。

DCB形軸継手もゴムを介して動力を伝達する方式ですが、これまでの他社製の弾性継手とはその構成が全く異なり、ゴムの剪断力で動力を伝えるのではなく、ゴムを圧縮する力で伝達する機構となっております。従って、DCB形軸継手には他社製の弾性継手と較べ、次の様な特徴があります。

(1) 動力伝達はゴムの圧縮力である。

(2) 定格トルクに対する許容変動トルクが大きくとれる。

(3) 突然ゴムが破損して航行不能に陥ることがない。

(4) 予備エレメントの計画購入及び船内保管が可能。

(5) 予備エレメントとの取り替え作業が分割カバーを外すだけできて容易である。

尚、ゴムエレメントは全て現地でJG(NK)受験を済ませてRenold社から輸入しております。

 

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図-1 DCB837.5組立図

 

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図-2 DCB837.5構造図

 

 

 

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